
2011年11月26日
1Q84

村上春樹の三部作『1Q84』を読破。
一部、二部までは、所謂村上ワールド満載であり、あの名作『ねじまき鳥クロニクル』を彷彿させた。
そして最終部では、そのワールドの着地点を描いている。
『1Q84』も現代に書かれた『ねじまき鳥クロニクル』である。
作中に出てくる『空気さなぎ』『リトルピープル』や『マザとドウタ』など、不思議な世界観は変わっていない。
それが村上文学の素晴らしいところだろう。
(まぁ俺は無条件で村上春樹が好きなんで)
ねじまき鳥クロニクルでは、主人公が岡田亨という男性であったのに対し、1Q84は、青豆雅美という女性主体になった点。
前者作品では、主に戦争というテーマが大きかったが、後者では、宗教教団や、日本放送協会(NHK)などより現代的で柔らかいモチーフである。
1Q84から入った人は、逆行してねじまき鳥クロニクルを読むとより面白く感じるのではないか、と思う。
どちらも名作なので、内藤陳よろしく、『読まずに死ねるか!』である。
Posted by NOV at 14:10│Comments(0)